ふつうのおんな

2004年08月24日(火) 言葉をつなげて文章にしていく

森瑶子を読むとなんともいえない焦燥感がわいてくる。
この女性は33歳のとき、このまま誰からも注目されないまま人生をやり過ごしたくない
という想いから『情事』を書いてすばる文芸賞をとった。

宮部みゆきを読むと「文章がうまいということはこういうことだよな」
「こんなに細かい人物描写とプロットなのに読むのを面倒がらせないってすごい」
とひれふしてしまう。

桐野夏生を読むと「ミロにはなれない」と打ちひしがれる。
彼女の短編で『デッドガール』というのがあるのだが、最後のシーンは驚いた。
途中までで展開は読めたのだが「そんなことするか??」とおののいてしまった。

web日記を書くのが好きな人は、基本的に自分の文章を人から見てもらいたい
自分の文章へのコメントが欲しい、という気持ちがあると思う。
辛らつな批評はともかくとして。

読む人を惹きつけるのは「文章のうまさ」「登場人物の魅力」など色々あるだろうが
日記の場合は「真実」に勝るものはないだろう。

初めてwebで日記やエッセイを書いていた頃は付き合っている人がPCをもっていなかったので見られて喧嘩になる心配もなく何でも書けた。
昔付き合った人のこと 恋愛についての正直な気持ち・意見 今日あった出来事 酒の失敗。
そういうのを書いていた頃は色々な人からメールも頻繁にいただき、いくつかの不思議な縁も生まれた。

実話がおかしなことばかりだったので、面白がっていただけたのだろう。

が、月日は流れオットと付き合いだした頃からそれらの話題は自然と書かなくなった。
オットが見てたからね。
そうすると「保守的になりましたね」などと言われ出す。
自分を切り売りすれば、可笑しな話のひとつやふたつ出てくるんだろうけど
それは家族になった者からしたら愉快なことではない。

だからつくづく思うのだ。

作家って、本当にすごい。


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