初めての母の月命日
体調は本当に最悪な状態なのに父の服装を春物にしたい一心で無理やり一時退院して、ベッドに横たわったまま小さな声で父の衣替えをあれやこれや指示しながら 「お母さんの夏服は出さんでよか。」 と言った事を思い出す。
どれもこれも母が大事に着てきた洋服で しまい方もよい生地のものは薄紙をはさんで丁寧に畳まれている。
モノはとっても良いのだけれど誰も着ないだろうデザインのものは処分することにしているのだが捨てながら妹と「あーもったいなか。みとられーんって言ってきっとお母さん今どっかいってるよね。」と笑った。 妹も私も笑っているけど 本当は心の中では涙が止まらない。
お母さんのいない夏がくる
私はもともと夏が嫌いで春と秋が好きだったが 母が戦った春だから今は春も嫌いだ。
これから先 夏物を出すたびに 私は母の「お母さんの夏服は出さんでよか。」を思い出すのだろう。
chick me
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