雑記目録
高良真常



 暗闇の囁き (本)

暗闇の囁き
  綾辻行人
 祥伝社ノンポシェット / ¥560



十年ぶりに伯父の持つ烏裂野の別荘に来た悠木拓也は、そこで円城寺実矢と麻堵という幼いが美しい兄弟と知り合う。ひとつ違いの兄弟だが双子のように似ている二人に懐かれた拓也は、彼らの家庭教師が黒髪を切り取られ変死する事件を知り、更には兄弟の兄、「あっちゃん」と呼ばれる少年が、家の者からその存在を隠されているらしい事実を知って興味を抱く。だが、拓也が独自に調べていくうちに、事件は思わぬ方へ進んでいき…。


ミステリ・ホラーの大家である綾辻さんの手掛けるこの『囁き』シリーズは、他作品より耽美色の強いものとなっている。美しいホラー、という通りに幻想的かつ奇妙に展開する今作ですが、それでも話は素晴らしい完成度でできてます。
それと…この話を読む前後に、同作家の『殺人鬼』という小説を読んでおくのがオススメです。この作中では語られなかった謎が解けますヨ。








2004年08月19日(木)
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