雑記目録
高良真常



 ディオダディ館の夜 (本)

ディオダディ館の夜
    井上雅彦
  トクマノベルズ



内容(「BOOK」データベースより)
霧深き美晴沢高原、深夜の衝突事故。気がついた〈彼女〉は、自分の名前さえも思いだせなかった。突然の記憶喪失が襲いかかる。しかも、運ばれた先は恐ろしい治療をするサナトリウムだった。そこに自分の夫だと名乗る男、芹沢龍弘があらわれた。芹沢は〈彼女〉を湖のほとりの白い館、ディオダディ館へと招きいれた。蔦のからまる荘厳な館に待ちうけていたのは、旧家に伝わるあやしい儀式と殺人…。


井上雅彦の小説の中でも、不思議な色を持つ小説だと思います。
結構、耽美…というか、あまりドロドロしてませんので、ホラーが苦手な方でも大丈夫。
館の妖しさ、夜の昏さ、曖昧な記憶と不自然な顔。
殺人事件が起こる、というより、誰かの仕組んだ舞台に入り込んだような感覚。
続けざまに開かれる真実。
次々と返される事実……。

最後に意外な結末が待っている、呪われた館の話。



※ディオダディ館とは、ホラーマニアには密かに有名な館の名前です。そこで“ディオダディ館の幽霊会議”という事件があり、そこにはメアリー・シェリーやDr.ポリドリが実際に立ち会っていました。二人はその事件をキッカケに、かの小説を書き上げたのだそうです。
かの小説とは、『フランケンシュタイン』と『吸血鬼』――…。










2004年08月29日(日)
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