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■ 帰らざる夏 (本)
帰らざる夏 加賀乙彦 講談社文芸文庫
主人公・省治は、時代の要請や陸軍将校の従兄への憧れなどから百人に一人の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学する。日々繰返される過酷な修練に耐え、皇国の不滅を信じ鉄壁の軍国思想を培うが……
あの時代。 天皇が神であった時代の、帝国のただなかで育ってきた少年が主人公の小説。 『僕』『君』を軟弱とし、『俺』『貴様』を通したその時代。 私達の知らない、“帝国主義”というものの一端を見せてくれる小説。 帝国や、戦争というものの別の一面も見せてくれる話。
うーん…これは書くかどうか考えたのですが。 この話は、耽美というか…男色を多々に含んだ話です。 そういうものが苦手な人は要注意。ちょっとした性描写も出てきます。 勿論、ただそれだけで終わるような話ではないのですが……。でも、この恋愛(…といっていいのだろうか)を含むからこそ、省治の最後がとても印象的であることは確か。
2004年09月22日(水)
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