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■ 少年アリス (本)
少年アリス 長野まゆみ 河出書房新社
月の夜。 アリスは友人の蜜蜂の忘れ物を取りに、蜜蜂、そして犬の耳丸と共に夜の学校に忍び込む。 夜の学校は静まり返っていて、ただ中庭噴水の水の音が聞こえる。 学校には誰もいない……はずだった。だが、理科室の前を通った時、ふたりは、その教室に彼等と同じ年齢の少年達が不思議な授業を受けているのを見る……。 教師に見つかってしまったが、逃げそびれたアリスは、少年たちに混じって奇妙な授業を受ける事になるのだが――…。
長野まゆみの初期の代表作であり、第25回文芸賞受賞作、そして課題図書にも選ばれた作品。 夏から秋への季節の移り目、その狭間に存在する不思議な力。それを手助けするもの。 奇妙な少年たちと、卵と小鳥。夜空の月。そして泉。 読んでいるうちに、綺麗な月夜の中に引き込まれていくような、良質のファンタジーです。
ちなみに、このアリスと蜜蜂、そして耳丸が出てくる話に、『少年アリス 三月うさぎのお茶会へ行く』という話もあります。これは、イースターの夜にアリスが奇妙なお茶会に紛れ込んでしまう話。こちらも可愛くてオススメ。
2004年09月23日(木)
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