まみいの日記
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2002年03月06日(水) 娘を持つ親

私の生活範囲は狭い。
半径数キロで 生活するには十分な情報も得られ物も手に入れる事が出来 息抜きに訪れる公園も 小さいながらも図書館もある。
ただ 映画館はM駅K駅のどちらかまで行かなくてはならない。
月に1−2回私が電車を利用する理由だ。

電車は昼間なためすいている。
しかし遊びに行くわたしは ちょっと遠慮しているつもりだ。
乗客は皆座ってひと時の憩いを楽しんでいる。
そんな時やにわに私の前に座っていたごく平凡な女の子が 自分のバッグから化粧道具をとりだしたのだ。
よく話には聞いていたが実際みるのは初めてだったので 電車の中で個人的用事を済ます女の子の出現に 私は驚きながらも見入ってしまった。
私の視線をものともせず その子は取り出したピンセットを使い眉を整えていく。その空間はまさにその子の部屋の中であり 私たち乗客はただの路傍の石いえ・・それすらなくて存在していないかのようである。

私は残念ながら 最後まで見届ける事が出来なく途中で下車したが みんなの視線に居直ったのかそれともそこまでが彼女のコースだったのか 私が最後に見たのは春らしい色の口紅を取り出すところだった。

どんな家庭に育った子なんだろう・・・改札口を抜けながら考えた。
案外私と変わらない普通のお母さんのいる 普通の家庭だったりて・・。
「うちの子に限って」の常套句をつかう程私は私の子を買いかぶってはいない。
一歩外に出たらきっと私には見せない顔の1つや2つ位持っているのではないか。
信用していないのではないが私に見せるのがありのままの自分・ではないだろう。

うちに帰ったらざっくばらんに聞いてみよう。
大衆の面前で個人的行為をすることが ショーになってしまうことを知っているかどうか。
そんなの人に迷惑かけてるわけでも無しいいじゃないのという人もいるだろう。
たしかに 他人に迷惑さえかけなければ何をしても良いという世の中になりつつある。
でもそれが ちょっと話が飛びすぎるかもしれないけれど 援助交際とかを生む一つの原因になってはいないだろうか。
そして他人に迷惑かからないからとしている事で 自分の首を絞めていることになっていないだろうか。
化粧と援助交際ではひとくくりには出来ないけれど 自分に対してあまりにも無防備な様子に女の子を持つ親として不安を感じる。
「何でも有りの世の中なんて無いのよ。自分のしたことはみんな自分に振りかかって来るのだから。」
人込みを抜けながら さて 娘はなんと答えるだろうかと考えた。


まみい