+++ Maybe Tomorrow +++
ともみん



 大好きだったあの人に、今だから言える本当の気持ち。聞いて驚け!

今日は金曜日なので例のごとくセミナー。
でもって、話も聞きながら、別のこと考えてた。
つらつらと。
もう10年も昔の、当時の彼氏とその周りで起きた出来事を。



相手は、学年は2つ上なのに歳は4つ上という不思議な人でした。
ワタシが入学する前にいろいろあったらしいんですけど。
入学してからもいろいろありました(笑)。
紆余曲折の後、その人の彼女になるわけですが、なにしろその当時ワタシはまだ16歳(正確には15歳11ヶ月)。
彼の言うことはワタシの中で絶対だった。


そんな関係がまる2年。
3年目に入ったちょうど今頃の時期、事件は起こった。



私の同級生でもある部活の仲間が失踪。
正直に言って、このとき、この話の終わりのような結末が待っているとは夢にも思わなかったですよ。
どういう理由からなのか、彼氏が、失踪した人(Kとしよう)の捜索隊長になっていた。
彼氏と、Kの彼女M、Kと寮で同室の後輩Aと3人で、授業が終わると彼氏の車で捜索に出かけて行った。
ワタシは当然おもしろくないわけだが、部活は楽しかったのできちんと出席して、練習もやった。


依然姿を見せないKを捜していたある日、ワタシは彼氏に聞いた。
「どうしてそんなに一生懸命捜すの?」
彼氏は答えた。
「Kの担任に頼まれたし、Mがかわいそうだ」
Mがかわいそう?
まあ確かにそうだろう。同じ立場だったらいやだ。

「こうやって待ってなきゃいけないワタシはかわいそうじゃないの?」
「おまえはお姉さんなんだから我慢しなさい」

なに?今なんて言ったの?
お姉さん?誰が誰の?我慢する?彼女なのに?

ワタシには妹が一人いるが、親から「お姉さんなんだから」と言われたことがないのが自慢だった。
それを、こんなところで言われるなんて思ってもみなかった。
しかも、彼女なんだから他の人に気を使えって。
ふつう逆だろ。

その瞬間、ワタシの心が急激に冷めていくのがわかった。
なんでワタシはこの人と一緒にいるんだろう。



その後しばらくして、Kは新潟市内で無事でいることがわかり、捜索は終わった。
Kは学校を辞め、私たちの前から姿を消した。
後に残ったのは、部活の中のギクシャクした人間関係だけ。

彼氏は「Mとはなんでもない、かわいそうだから面倒を見ていただけ」と言った。
たぶんそれは本当なんだと思う。
でも、Mの目には、彼氏しか映らなくなっていると感じた。



家に帰ってから、彼氏のところに用があって電話をかけた。
応対の雰囲気が、いつもと違うと感じた。
「誰か来てるでしょ」
「…Mが、Y(Mの友達)が帰ってくるのを待ってる」
Yのところに泊まる予定のMが、どうしてあなたのところで待ってなきゃならないの。
そう思ったが、聞かなかった。
また、親にも言われたことのない言葉で混乱させられるのはイヤだったから。




結局、ごたごたしながら半年が過ぎ、彼氏は無事卒業し、就職した。
そして、就職を機にワタシと彼氏は別れた。
彼氏は(自分で言うのもなんだが)すごく未練があったようで、何度も謝られたりしたけど。
Mも、新しい彼氏を作っていた。













今でもワタシは、KやMのことを許せないでいる。
思い出すだけで腹が立つ。
でも、ここに彼氏の名前がないのは、少しだけ、自分が大人になったかなと思える証拠。
かつては好きだった人、だから。
そして今は、誰より大切な人がいるから。


2002年07月05日(金)
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