男性しかいない島。 悪夢のような島にたどり着いたサンジは悪づいていた。 [こいつらはどんな極悪な事をしてこんなひでぇ目にあってんだ?] [この世にゃ神も仏もないのか…気の毒に] [俺だったら3日と耐えられねぇ俺の天使ちゃんSと引き離されるなんて] とか同情しつつ歩いてたらいきなりケツを撫でられ反射的に飛び上がった。 くちをパクパクさせケツを押さえて距離をとるサンジに凶悪な一言
「兄ちゃんいいケツしてんな俺に付き合えよ」
最後の方のせりふは想像だ。 言うまえに粉砕した。 ムートンショットだ。 [なんて最悪かつ最低な島だ] [こんな島はこの世から消え失せてしまえ」
「ホモの島ホモランドかよ!」
よく見たら周りにはたくさんのカップルらしき男達がハートマークを飛ばしイチャイチャイチャイチャイチャイチャ…。
「………ガリバーがたどり着いたのはどんな島だったかな…」
現実逃避思考が頭をよぎる…自己防衛モード突入。 どうやらデートスポットらしく夕暮れに街灯と海がロマンチックな空気をかもし出してる。 当たり前のように無垢つけし男どもがお互いを甘い眼差しで見つめ。大切なものをあつかうかのように優しくふれる。 ゾワッとか ザワッとか 躯の中心を駆け抜けるただならぬ寒気に鳥肌までたってくる。
「兄ちゃん独りかい?」
背後から掛けられた声に振り返りもせず歩き出す。 なんか言ってるが聞かない事にした。 精神衛生上よろしくない。
さっきまでの同情的な気持ちはサンジの中からは霧散していた。 頭から湯気をださん勢いでズカズカと路地を抜けていく。 ガニマタに猫背ちょっとしたチンピラムード。 今にも唾を地面に吐き出しそうである。 口ではぶつぶつと
「最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ」
とかつぶやいてるのだからいろんな意味で怖くて誰も声を掛けられない。 [ホモ島のホモホモアイランドにはホモっホモて人種がいてホモホモしてるホモなわけで…ホ藻…藻は毬藻でホモなまりもな…] 口に出してこそいなかったがサンジはけっこう混乱していた。 つーか生理的にだめだった。 連想で同じ仲間の剣士にまで鳥肌がたったところで思考をとめる。 いくらなんでもそれはやばい。 仲間に対してちこっと失礼だ。 …帰ろう…。 大きく深呼吸してからこんどは港のデートスポットを避けるであろう道を選択すると、ぼとぼと歩きだした。
携帯で友達に送りつけた文その1 わけわからんもんをいきなり送りつけてすまん。
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