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山梨県立文学館の樋口一葉展を見に行く。行かないつもりでいたのだけど、朝起きたら、なんとなく遠出をしてもいい気分だったので。 1時間も見れば終わりだろうとタカをくくっていたら、かなり充実した展示で、驚いた。常設展も見たら、2時間たっぷりかかった。夏に第1部の展示があったことをしらなくて、見逃したから、それについては残念至極。両方見ていたら、一葉研究の基礎資料の全部が出ました、というような展示だったのではなかろうか。 常設展のほうは、山梨の文学者というコンセプトなのだが、そこんところはかなり拡大解釈されていて、芥川も太宰も入ってしまう(入れすぎだ〜)。一葉は常設展でも主役の一人だが、一葉の両親が山梨の出というだけなんだよね。 ご愛嬌のお土産を一つご紹介。瓦せんべいです。 広い敷地のお向かいは、「種蒔く人」の入手で名を馳せた県立美術館。特別展はマン・レイだし、ここへ行くつもりはなかったが、文学館の展示の充実に感心した勢いで、行ってみることに。まず美術館に到着するまでに、ムーアだの、ブールデルだの、マリーニだの、彫刻が点在するので、それも一応見る。 マン・レイは以前、NYのホイットニー美術館で展覧会を見たことがある。その時は、グリコのおまけのようなガラクタ的な作品が多くて、辟易したため、印象が悪い。それに比べれば、見やすい展示だった。印象大幅に改善。特に写真がいい。ま、どうやっても好きという言葉は出ないけれど、ああいうタイプの人を芸術家として大事にするくらいの余裕は社会に欠かせないと思う。 当分また来ることもなかろうと欲を出して常設展も回った。「種蒔く人」はいうまでもなく、バルビゾン派あり、日本画あり、版画あり、コンテンポラリーあり、何でもあり、というに近く、ちょいと散漫なんだわね。山梨をキーワードにしてしまうと、ジャンルにこだわって、この人を入れて、あの人をはじく、というわけにいかなくなるからだろうか。 ともかく山梨県ってお金持ちの自治体だったのね。そんな景気のいい産業があったっけ?武田信玄の埋蔵金は実は県庁の金庫にあるのではないか? 帰りの特急に乗ったところで、今日、コンサートのチケットを買っていたことを思い出した。どうしようかと思うが、夫が駅まで持ってきてくれるというし、ついに家に帰らず、コンサート会場へ。 フィンランドのユヴァスキラ交響楽団というのだが、がっかりするようなモーツァルト「ジュピター」。ヴァイオリンのお粗末なこと!音量なさすぎ。オケ全体としては各パートがかろうじてつながっているような危なっかしさ。 2曲目もモーツァルトでヴァイオリン協奏曲第5番。これがお目当てだったのに、やはり失望。アゴーギクをばりばりにきかせて個性的な演奏を図ろうとするあざといソリスト(ジョーン・クォン)。音は立たず、音程は怪しく、絹糸を期待するところが皮ひもになったような演奏。5番ってこんな曲だったっけ??休憩の後にベートーヴェンの7番ともう1曲フィンランドの作曲家の小品があったけど、期待できそうにもないから途中で帰ってきてしまった。 以上、発作的な一日。基本的に私は出不精なんです、信じてもらえないでしょうが。
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