書泉シランデの日記

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辞めました
2006年02月13日(月)

長年やっていたヴァイオリンのお稽古についに終止符を打った。忙しくて練習が出来ない、という理由に尽きる。

先生は人間的にとても上等な方だし、気長に面倒をみてくださったので、時間さえあればずっと続けたかったが、先生のお気持ちに報いることができない怠惰な生徒はそれはそれでつらいものがあった。

辞めますと割合丁寧にご挨拶申し上げた後も、ご自分の非力を詫びるお手紙なぞくださる。忙しいのは仕方がないとしても、せめて満足のいく成果を提供したかったと。・・・そんなんじゃないってば!と先生の肩を叩いて励ましたくなるのだけれど、手紙を見ると私こそ涙ぐんでしまう。

先生もかなり完全主義者だし、私もきっちりやりたいほうだから、なまじなことでお互い満足するはずがない。でも、「きっちり」が前面に出すぎると、音楽が出来なくなる。音の流れを感じて演奏するのではなく、譜面の再現にこだわって、脳の本来働くべきでない部分を働かせてひいてしまう。そして途端に腕や指が固まる。

息子は「母さんの問題は易しい曲の難しさを知ったことだ」という。確かに易しい曲は本当はとても難しい。でもいわゆる難しい曲は到底ひけない。中くらいの曲なんて存在しない。ひけるようになった曲はすべて易しい曲で、難しいのである。・・・ああ、なんだか「クレタ島の人はみんなうそつき」みたいなわけのわからないことになってきた。



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