書泉シランデの日記

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数学教育の進歩@アメリカ
2006年02月11日(土)

アメリカの友だちから来たメールを紹介します。
マックで3ドル58セントの注文をして4ドル8セント出したら、店員が途方にくれて泣き出したということに端を発しての憤りのメールの一部です。

題して「数学教育の進歩」。

1950年代:きこりがトラック一杯の木材を100ドルで売りました。それにかかった経費はその5分の4です。もうけはいくらですか。

1960年代:きこりがトラック一杯の木材を100ドルで売りました。それにかかった経費はその5分の4、または80ドルです。もうけはいくらですか。

1970年代:きこりがトラック一杯の木材を100ドルで売りました。それにかかった経費はその5分の4で、80ドルでした。彼はもうかりましたか。

1980年代:きこりがトラック一杯の木材を100ドルで売りました。それにかかった経費はその5分の4で、80ドル、もうけは20ドルでした。<作業>20ドルに線をひきなさい。

1990年代:きこりが美しい森から木を切り出しました。彼は大変自己チューで、その森に住む生き物や森林の保全に無関心で、なんとも思わなかったからです。20ドルのもうけを得るためにそうしたのです。こういう生きかたをどう考えますか。
<クラスで話し合いましょう>森の鳥やリスたちは、きこりが彼らの家を破壊したことをどう感じているでしょう。(どんな答えをしても間違いではありません。)

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あんまり笑っている場合じゃないという気はします。
自然保護を大事だと考える人が人間世界のさまざまな事象との関連を考慮した上で=さんざん悩んだ上で、「じゃあこうしましょう」と決断するときに、統計や経済の理解は必須だと思うのですが、まず感覚、そしてあまりに安易に「みんな違ってみんないい」とされてもなあ、と思うのは私だけでしょうか。

人間社会の物事は何にせよ複雑怪奇です。だから十分よく考えることが大事だし、考えるための客観的な資料(資料批判の力があることを前提に)が必要だと思うのです。考えることを怠るようになっては本当に恐ろしいことです。アメリカのやり方が日本に伝播するのもそう遠くはなさそう。くわばら、くわばら。

(冒頭のマックの店員、どうしてレジに4ドル8セントと打たなかったのでしょうか?何も考えないでただ打つだけのおバカさんではなかったってことかしら?)




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