書泉シランデの日記

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『運命の力』@新国立劇場
2006年03月18日(土)

アルヴァーロ役のロバート・ディーン・スミスが聞きたかったから行った。作品自体は好きではない。いろんなこと、てんこ盛りに入れすぎ。欲張るから、説明的な言葉が多くなっているし。

世間ではシャファジンスカヤ(レオノーラ)の評判が高い。ソプラノ・ドラマティーコである。でも私、この人の声嫌い。あざとい。声量があることは大いに認めるけれど、私の頭は彼女の声で演算不能になった。もうちょっとうぶな声の人に歌ってもらいたいが、男の人が聞くとそうは思わないかもしれない。

お目当てのスミスはいうまでもないが、バリトンのロバートソンも張りがあって声量十分。要するに声のでかいヤツが3人揃い踏みだった。この状況じゃ坂本朱さん(プレツィオジッラ)は分が悪かったね。

メリトーネ役の晴雅彦さん、芸達者で○。声も好き。

スミスにはとても満足。あれ以上デブになるとちょっと困るが、滑らかな無理のない発声で安定していて、安心して聞ける。 宍戸錠並みのほっぺたは歌で鍛えられたのだろうか。年をとったときの顔を想像するとちょっと怖いが。

この作品は結局、最後にアルヴァーロだけが残されるという悲劇なのに、なんだかしまらない。筋自体は『リゴレット』に伍してもいいのに、半端に神様が出てくるからダメなのかな。ヴェルディは『リゴレット』が一番好き。あれは泣ける。



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