書泉シランデの日記

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遅々のお雛様
2006年03月29日(水)

ずっと行きたいと思っていたお雛様の展示を二つハシゴしました。
最初は根津美術館の「虎屋のお雛様」、ついで三井記念美術館の「三井家のお雛様」。両方ともご立派でした。ただしハシゴするような性格のものではありません。したところで、どっちも白酒出してくれたりはしませんしね。

ハシゴがいけない理由は、続けてみると比べすぎてしまうからです。

虎屋のものは新しいのですが、日本の工芸技術が頂点に達したという明治のものですから、ミニチュアの手仕事がそれはそれは見事で、うっとりしました。もちろん彦根の井伊家でも、名古屋の徳川家でも、およそ大名方のお雛様なら、どこでもかわいいお道具をお揃えではあるのですけれど、虎屋さんのはお内裏様が飲み友達を連れ帰っても大丈夫なほど数が揃っていたのです。元女の子の私はくらくらしました。

それにくわえて、お人形の表情が大層よろしいのです。官女や随身にいたるまで、いきいきとしていて、犬張子(実はこれが一番好きな雛飾り)もラブリーでした。

すっかり心がとろけた後に、三井さんでしたから、三井さんのお雛様の本来の魅力をうまく感じられませんでした。こちらも贅をつくした素晴らしいものであることはいうまでもないのですよ。

最後にお雛様とは関係なく、出光美術館で「風俗画に見る日本の暮らし」展を見て終わり。洛中洛外図屏風を加工したとおぼしい、大和絵の扇面が面白かったです。今回、ギャラリースコープを入手したので持参しましたが、これからは必需品になスグレモノ。



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