| 2014年04月25日(金) |
ロング・グッドバイ 第一話の好きなセリフ |
きっと原作では有名なセリフで、今更なのかもですが。
アバズレ女優から雨の中、ゴミのように捨てられた色男・保。
それを自分の事務所に連れて帰り、介抱してやった探偵・磐二。
目が覚めた保が磐二と交わす最初の会話。
保 「失礼ですが、あなたは伝道師か何かで」
磐 「はぁ?」
保 「それとも仮出所中?」
磐 「なんのことだよ」
保 「素性も知れない酔っ払いなんて拾わないで、この財布だけここに連れ帰ることもできたはずでしょ。
なのになぜそうしなかったんです」
磐 「さあな」
それでも疑心暗鬼でゴネる保に、
磐 「自分の見ている世界がすべてだと思うな。
べつに何の得もなくても、クズを拾ってきてコーヒーを飲ませたいと思う人間だっているんだよ」
酒場でのふたり
保 「この一杯が10倍はするような店で浴びるほど呑んできました。しかも女の金で」
磐 「十倍うまいのか?」
保 「味は変わりませんよ。ただ、より頭が腐る」
保 「要するに人間てのはつねに見下す相手が必要なわけですよ。わかってますよそんなこと。
だけどね。工場のクズどもにクズあつかいされるのはもう真っ平御免なんですよ」
磐 「そんなことか。今すぐ工場に戻って謝ってこい。お前なんか雇ってもらえるだけありがたいと思え。
いいか。そんなことにも耐えられなかったらな、この先どこに行ったってお前の行き場なんてないんだ」
海外へ逃避行しようとする保が磐二に、
保 「あなたのような人間になりたかった。
何の見返りも求めず、ただ自分が正しいと思う方を選ぶことのできる人間に。」
警察の横暴なやり方を時代錯誤だと非難する磐二に、
岸田警部補 「時代ってのは足が遅いんだよ。そいつはまだ、おまえに追いついちゃいねえんだよ。」
第一話では、磐二と保の会話がどれもステキでした。
煙草とコーヒーとギムレットも、シブい探偵と哀しげな色男にえらくお似合いでしたし。
明日の第二話も楽しみですー。
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