2014年05月22日(木) |
まだ続く・ましゃが慎重に生きる理由 |
ファンあっての今の自分、だから迷惑をかけないように気をつけて生きている、と明言なさるましゃ。
ファン、つまりお客を大事にするということは、自分の仕事を大事にしているということですよね。
ましゃが音楽や映像に携わる仕事をとても大切にし、生み出した作品を大切にし、
それをずっと続けていきたいからこそ、その仕事を支えてくれるすべてに、
その最終的な到達点である客に、できるかぎりの心遣いを続けておられるわけで。
その想いの原点のひとつともいえるエピソードが、ファンにはもはやおなじみの
「Calling」(1993年発売)というアルバムタイトルにまつわるお話。
野良犬ましゃのお話をした5月3日のたまリクで歌ってくれたのが「Calling」だったのです。
福 「Callingという言葉には「天命」とか「天啓」などの意味もあるのだけど、
昔、今から20年近く前、母方の祖母(みかんのおばあちゃん)がまだ元気で畑に行ってる頃、
ぼくはアルバム「Calling」を制作していた。
母親から、おばあちゃんの膝だか腰だかが調子わるいと聞いたので、ばあちゃんに
「身体大事にせばいかんよ。あまり無理せんといて」という話をしたら
「そういうわけにもいかんとよ。畑が呼びよるけんね」って、ばあちゃんがぽろっと言ったの。
僕はすごく感動して、中途半端な気遣いをした自分を恥じたくらいだった。
そうか、ばあちゃんは畑と共に生き、畑を生かし、畑に生かされて、
そういうふうに生きているんだな、ということを知って、
いつか僕もそういうふうに音楽やエンターテインメントと共に、
僕がエンターテインメントに生かされ、僕自身が音楽を生み出し、というような、
そんなふうになりたいなー、と思ったのを、今でもすごく覚えている。
『Calling』というアルバムは、そういう意味合いも含めてそのタイトルになった。
それから20年近く経ってできたアルバム『HUMAN』の、
『昭和やったね』という曲にもつながっている。」
野良犬ましゃは、こんな素晴らしい感性もお持ちだったのですよ。
おばあちゃんの生き方をそのひとことから心に刻み込んだましゃは、
それをおばあちゃんと同じ畑で生かすことはなかったけど、
「エンターテインメント」というフィールドに呼ばれ、そこで生かし続けている。
この初心をましゃが全然忘れていないというのが、なんかほんとにステキです。
もちろん、初心を思い返すだけで色々な問題が解決できるなんて甘い世界は、どこにもないでしょうが。
それでも、自分のフィールドで育てた大切な作品の数々を、
自分だけでなく多くのファンにも大切にされ愛され続けている作品の数々を、
自分の不用意な言動などで台無しにしてしまうことが、極力ないように、
そのための「慎重に生きる」姿勢に、この初心は確実につながっているに違いない。
楽しくファンやっていられるのも、ましゃが慎重に生きてくれているおかげです。
感謝の気持ちを込めて、今夜もましゃが一日の激務終わりにおいしいビールが飲めますようにと祈りつつ!
|