2014年11月26日(水) |
龍馬さんの時代のギターが「桜坂」を奏でる |
23日(日)のSUZUKIトーキングFM、とてもステキなことになっていました。
今回の「旅する大感謝祭」にももちろん同行されている、ギターの小倉博和さんがゲストで、
ましゃと小倉さんのギター談義&ステキな即興セッション。
素晴らしい音色でしたー。
小倉さん所有のギター「マーチン2−27」は、1852年製で162歳。
小倉さんいわく、「龍馬さんがまだ脱藩する前、黒船が来る1年前に作られたもの」だそう。
ましゃファンのために、なんてわかりやすい解説。
そんな龍馬さんの時代から現代まで生き抜いてきたギターが、
ましゃ所有のこれまた素晴らしい1930年製の「マーチンOM45」という名器とともに、
「桜坂」を奏でるという奇跡。
そんな奇跡を、ファンはラジオで耳にできちゃうという奇跡。
奇跡というか運命というか、すべては必然なのだそうですが。
小倉さんがこのギターを見つけたのは一昨年で、
ネットで夜更けに発見し(ましゃと同じで夜な夜なギター探しにネット徘徊しているらしい)、
そのまま寝ずに翌朝まだ開店前のお店に電話をかけてホールドしてもらい、
弾いてみて即決したのだそう。
お店の片隅にはすでに、小倉さんが手放すのをじっと待ってるもうおひとりもいて、
まさにこのスピードとタイミングでなければ手に入っていなかったと。
福 「僕も小倉さんも、普段は道でも席でも人に譲るけど、
ギターに関してだけは、これがほしいとなったら絶対譲らないですものね。」
ましゃもプリオマーチン(1945年以前に製造されたマーチン)の魅力に取りつかれて以来、
とてもお金が飛んでいくそうなのですが、
福 「これは我々の職業のために必要なものですから。
そのギターの個性に導かれて出てくるフレーズというのもありますから。
今回の『ゴールデン・タイム』(小倉さんのソロアルバム)も、
このマーチンギターに導かれて生まれたんですものね。
ギターを自分が所有しているだけでなく、音源としてちゃんと残して、
広く世界に聞かせたいという想いから生まれたがこのアルバムですものね。」
小 「そうなんです。このギターは『シナリー・コレクション』という、
アメリカの有名なコレクターが所有していたそうで、いわば、長い間ずっと眠っていた。
それが、何の縁か海を渡って、僕のようなプレイヤーのもとに来たということは、
たぶん、歌いたいんじゃないかと。
だから、どうしてもこの楽器の音は残したいという想いはありましたね。」
福 「ああ、いいですねー。
これくらいのレベルのギターになってくると、ギター自身が意思をもっているかのように、
鳴らしてくれる人、大事にしてくれる人のところに導かれていきますよね。」
小 「いやー・・・上手に言いますね。ほんとにそう思うときありますね。」
なんて話してたと思ったらいきなり美しい音色が聞こえ始め、
福 「はじまっちゃった」 「始まっちゃったら終わらないんだ」 「終わるまで終われないんだ」
とか言いながら、2本のマーチンによる、ほんっとーーーに柔らかくて美しい「桜坂」の旋律。
素晴らしかったー。
もちろん、小倉さんのソロアルバム「ゴールデン・タイム」からの曲も、
その後のボサノバ調の即興もね。
日本には、長い年月大切に使われつづけると、
物にも魂が宿るようになるという「付喪神(つくもがみ)」という考え方がありますが、
162歳のマーチン、小倉さんのところに来てくれて、ましゃのこんな近くに来てくれて、
「桜坂」までも奏でてくれて、ほんとヨカッタ。
こんな貴重なマーチンが2本も顔をそろえて演奏することなんて、めったにないことなので、
福 「あまりこれらの楽器のことを言うと、僕たちが命を狙われる。あぶない!」
小 「はっはっはっ!」
なんておっしゃってましたけど、
自分を生かしてくれる持ち主のことは、ギターもきっと守ってくれるに違いない。
さ、「旅する音楽の館」は明日から愛媛にオープンですね。
こちらも素晴らしいライブになりますように。
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