先に進む足と 支え木にしがみつく腕 振り返った心に 後退せよとの声が響く しかし麻痺した頭に考える余地は無く 心を何処かに置き忘れたそのままで 身体だけが ひとり歩き
立ち止まるのは 強さか弱さか 振り返るのは 愚かな心か 立ち止まることさえ恐くて 直視出来ないでいる 正体も何もわからないモノに
目隠しをされて 何処かへ連れ去られ 放り込まれた牢の中で 獲る(える)モノはどんなモノだろう 得られるモノとはどんなモノだろう
ふとこないだ目に入った儚げに散る桜のことを思い出す
・・・でも それよりも私は これからの宿命を知ってか知らずか生まれてきた あまりにも白い 大きなこぶしの木が
やけに 愛しかった
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