うやむや日記...はとぽ

 

 

春の夜の夢ばかりなる手枕に - 2005年04月06日(水)

桜の咲き初めたあたたかい春の夕、住宅街の片隅のちょっと小洒落たトラットリアの前に置かれた木のベンチで、忙しくなる前の一息なのか若いシェフが二人仲よさげにじゃれていた、それだけのことでなんだか心浮き足立つ私はわれながら随分と幸せな頭をしていると思います。

足の踏み場もない祖父の書斎から引っ張り出してきて、宇野浩二の「文章往来」を読んでいる。これがなんかもう、すごく面白い。この書評が昭和16年発行なのだが、私なんか途中まで宇野浩二の手になるものだとそもそも気づかず、普通にせいぜい十年二十年かそこら昔のものだと思っていたほど今風でもある。まあ最近の芥川龍之介がどうとか言う記述に当たるに至ってようやく気づきましたが。うわ馬鹿。


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