Blue tears...小雪

 

 

残された時間。 - 2005年03月07日(月)

慢性骨髄性白血病から急性転換。肺炎併発そして無菌室と人口呼吸器。
全然ドラマティックなんかじゃなくただ静かで淡々とした病室。
医師をはじめ家族誰もがもう終わりかと諦めの予感に駆られた状態を克服し
驚異的な回復と奇跡的な運命に恵まれ退院を果たした兄。

しかしそれは神様のくれた兄とそして家族へのプレゼントだったようだ。
今年に入ってからほぼまた慢性期の小康状態が続き再度移植への意欲も出てきた矢先の先週末。
電話で兄の急性転換をまた知らされた。
本人の希望を考慮して即日入院は避け、あさって再入院すると。

たまたま知った私からかけた実家への電話。
しかもそれは実家から届けられて来た退院を喜ぶ「お見舞いお礼」の品への返礼だったのに。
本来なら笑い話みたいに流せる電話のはずが…。
受話器の向こうの母の声はあの時よりも沈んでいた。
医師からは去年よりも厳しい状況だと言われたらしい。
厳しいって?
もう命が悪くなる一方の時間だけだって事。
それが兄の人生の残された時間。

知らされた途端急に胸がざわざわして言い様の無い気分に。
急遽しまってあった安定剤を喉へ流し込む。
兄とは幼い頃から色々確執を持った仲だ。
だけどいなくなったら?このままで終わるなんて嫌。

退院祝いもまだ贈ってなかった。
ワガママな兄はブランド物のパジャマをリクエストしてきてたのを無視して。
「また入院するかもしれないからさぁ、オレ。」っていつもノリで。
冗談半分で聞き流してたのに本当になってしまった。しかもこんなにも早く。
心の準備が無い。

いわゆる「余命」は宣告されてない。わからない。両親は聞いてるのかも…。

また面会という形での再会になる。ああ、情けないよ自分が。
なんてちっぽけな事にこだわってたのかって。
色々な事が急に思い出されて苦しい。

お願い。まだ行かないで。
お願い。まだ連れて行かないで下さい。








小雪。









 










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