「ダイジョウブ。」 - 2005年04月22日(金) 今日もお出かけの予定も気力もないけど。 これから?誰に会う予定もないけど。 だけど。だけど。今日は私の誕生日。 ちょっとだけ、春らしい明るい色した洋服に着替えましょう。 薄化粧に淡い紅をひき。瞼に少し薄いブルーの色をのせ。 短いまつげには細いマスカラ。ビューラーでぐんっと上げたらほら、完璧。 失敗したパーマは何度見ても滑稽で泣きそうになるけど。まぁこれもありでしょ? そしてココロで唱えるジュモン。 「アタシはダイジョウブ。」 「アタシはダイジョウブ。」 パウダールームの自己暗示。 お気に入りの香水うなじに乗せたら怖いもの無し。 鏡に写るこの憂鬱な顔を剥ぎバスケットへ放り込め。 そしてカーテンをひき窓を開けましょう。 ほら、まぶしずぎる日差しとともに春満開の風が流れ込むわ。 アタシが吐き散らかしたグレーのため息など流れ出てしまえ。 ジュエリーにバッグ?イチゴのケーキ?いらない。いらない。 欲しいモノなど何もない。 本当に手に入れたいものに手が届かない事は十分知ってるし。 夢がないなって?そうかも。そうだね。 愛も優しさもあんなに欲張る女だったのに。 いつから夢を追わなくなってしまったんだろう…? そしてその事に何の違和感を感じなくなったココロに埋もれていくアタシ。 自分の描く夢に砕かれる度、臆病さだけが成長したの…? 繰り返す哀しみと過ちが身につけた無意識の自己防衛。 なんだか偉そうにまた強がってしまった。独りぼっちじゃ無意味な強がりを… しかも、今日はそんな日じゃない。 せめて今日はちっぽけで強がりなアタシなど散ったサクラの下に隠れてて。 本当は欲しい物もまだまだ山ほど。見たい夢だって抱えきれないほど。 今は見えないだけ。 綺麗ごと?いっそそんな錯覚に溺れたい。闇の中そんな日もあっていいでしょ? この霧が晴れたらまた見えるはず。きっと、きっと。 明日にはそんな御伽噺のオブラート、破れて泣いてるかもしれないけど… 「ダイジョウブ。」 「ダイジョウブ。」 ジュモンで作った笑みにも少しは本物はある。 だって今日は私の生まれた日。 どうか微笑ませて。 欲しいモノ何も無いけど…。今日もこうしてあなたが来てくれたこと。 それが何よりも嬉しい最高のギフト。 ありがとう。 だから きっと アタシはダイジョウブ。 小雪。 ...
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