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ボクが住んでいた山のお隣さんの田んぼには、今、この白い 小さな花がたくさん咲いている。 これは「タネツケバナ」という花だとアキコが言っていた。
どうしてタネツケバナなのかと言うと、田んぼに植える稲の 種モミを水につけて苗を作る時期に咲く花だからなのだそう である。 昔のお百姓さんたちは、この花が咲くのを見て「そろそろ種 モミを水につけて苗を作らなくちゃね」と考えていたのだろ うか。
この花はとにかく棚田いっぱいに咲いて、白いカーペットを 作っている。 種モミを水につけて苗を作る時期に咲くのだから、田んぼを 占領していても安心という訳である。 ボクは緑の稲も好きだが、このままタネツケバナの白いカー ペットを見ていたい気がする。

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