ボクが住んでいた山は、今、小さな花畑になっている。オオイヌノフグリの花畑なのだ。この花は毒があるから食べられないが、大好きな花だとアキコが言っていた。食べられないのに大好きだなんて、珍しい。きっと名前にイヌがつくから好きなのだろうとボクは考えている。山の草むらにゴロンと寝ころぶと周り一面この花にうめつくされていてとても気持ちがいい。ボクは山に来るといつもこの花畑でゴロンと寝転がってこの花畑を楽しむのである。