朝が消え、昼も過去となり、夜が来る。すすんすすすつんすすつつん夜の帳は音にあらぬ音をたてながら降りて、厳かな静謐をおれは感じる。闇の気配が真後ろにて息づく。濃厚な。なんて濃厚な。耐えようもなく後ろを振り向けば闇がおれの頬をなでた。そして背中を覆った。ぴた ぴたぴた ぴた見えるは、黄色くてらてら淡く輝く上弦の月。