ことばとこたまてばこ
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2004年11月29日(月) おめえ役に立たないねって真っ正面から言われたぁ〜い

ふふ、おめぇ差別したいだろ。良いよ、別に。思う存分あたいを差別しておくんなまし。

ええっ、しないの!

どうして?

だってってってって…おめぇいつもあたいを見るたびに、わずかに眉ゆがめてんじゃない。それだけじゃないよ。あたいの手話を見た時も、あんたは自覚していないかもしれないけど眼がね、遙か遠いところにいるのよ。フッ、と。ほんでいつもあたいを見下しているでしょう。言葉もできない障害者って。手をひらひら、顔ぐにゃぐにゃ、まったくばかみたい、あれって知恵遅れとちゃうんの、って哀れんでいるでしょう。

ねぇ。違うの?違うはずがないんだけどなあ。あなたと同じ眼としぐさをしている人、あたいたくさん見てきたよ。その中でひとりがきっぱり「気持ち悪い」って言ってたよ。ほら、そうそうそう、いまのあんたの眼!表情!そのものだよ。あは、なんでこうたくさんいやがるのかなっ。

さてもう一度聞いてみるわ。納得いかないもん。
ねぇ、どうしてあたいを差別しないの?

…え!そうだったの…!差別をして騒がれるとめんどくさいことになるから?
あははっ、それって噴飯もの。まるで呵々大笑ね。くふふ。ふげげ。でへへ。げはは。
いいんだけどね。ほんと。ショーミの話。あたい差別されたいのだけれども。あっ、あたいMじゃないよ。縛られて喜ぶような感情は持ち合わせてないねっ。いや、あんたSっぽそうだからなんとなく言っておかんと思うて…。ごめん。いやあ、ほんとあんたほど風俗街にたむろする人たちと雰囲気の似ている人っておらんのと違う?

話それたね。そうそう、差別。あたい差別されたいの。ほんと。

「役に立たねぇなあ。このぼけなす」
「はは、こいつおもろ。もっと無視したれ」
「馬鹿野郎!一体今まで何を聞いてやがったんだ!…あ、お前聞こえなかったか。メンゴ」
「おぉーぅい。おぉーぅい。おぉーぅい。ばーかーばーばーばばばっばばっかばかばか…わあ、ほんと聞こえてねぇんでやがんの」
「何この言葉?どうして『わたしとお母さんは一緒に買い物をした』が『わたしとお母さんと一緒に買い物がした』になるの?意味わかんないんだけど。頭わりぃなあ」
「おたんこなす」

ほんと差別されたいなあ。
他の人がどうだか知りませんよ。あたいだけかもしれませんよ。

でもこれだけ言い切らせてもらいますけんどもね、あたい、負けない自信あるんよ。
「はぅーん。でも、あたいクジケナイッ!」ってスポ魂めらめら沸き上がる自信あるよ。そこからなにかを生み出して表現できる自信、あるよ。絵、詩、小説、音楽、映画…。ショーミの話。

でも最近の風潮って、ねぇ、差別はイ・ケ・マ・セ・ンよっっっって感じで息苦し。別に悪いとは言わないけれどさ、「明るく健全」ってほんと表現者をダメにするわね。たとえあるとしても、耳聞こえないのはどうでもいいけれど性格が悪いから嫌い、というかそんな感じの真っ当な差別ばっかり。

鬱憤こそが表現の最大の原動力なのにね。

あんただったら差別してくれるかなってあたい嫌々ながらも期待してたのよさ。でもあんたときたら遠くからへねへね中途半端な差別の視線送ってくるだけだしさー。つまんないの。こんなことを言ってしまった以上、もうあんたには期待できないのよね。



あー、理不尽な差別されたいなー。
あー、理不尽な罵倒されたいなー。


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