ことばとこたまてばこ
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2005年01月20日(木) 風に泣きすがる

まなこを見開いて自転車で夜の坂道を駆け下りる。
身も引き締まる冷風が容赦もなく吹き付けてきゆる。
まなこの潤いは急激に失われて乾びる。
まなこは水分を発する。

永い坂の半ば。
自転車の加速は増す。
尚も冷風は強まって。
尚もまなこは水分を発して、溢れて。

永い坂の終わり。
自転車の加速は最高に達す。
尚も冷風は強まって。
尚もまなこは水分を発して、頬を伝って。

いささか泣くことを忘れている時、わたしはこうして思い出す。
頬を伝う水の冷たくも不思議に安堵を覚える感触を。


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