銭湯上がりのホコホコにほてった身体へ降り注ぐ雪。際限なく愛おしい、と思う。なにゆえ?私を冷やすから。なにゆえ?私を覚ますから。私はしあわせばっかりで、私はふしあわせになりそうだったから。お降りなさい。お降りなさい。そして。冷やしなさい。覚ましなさい。蛍光灯の明かりに照らされて降りしきる無数の雪は塵埃のごとき。降り積もって降りしきって辺りは一色の白に埋め尽くされて笑う。