ことばとこたまてばこ
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「手話」という言葉は誤りだ。
わたしたちは けして手のみで 会話をしていない。 手の形 手の流れ 表情 そして空間。 それらを駆使して 会話を交わす。
どこまでも厳密に 言ってしまえば わたしたちの言葉は 「空間」から一文字を取った『空話』と言うべきなのだ。
空間とは 物質が存在し、諸現象が生起する場 という意味を有している。 インターネットが網羅する今や 文字に映像は 確固とした道具ではありえなくなった。 だが わたしたちの言葉は それを言語とするあなたにしか述べられない言葉 なのだ。 なぜなら わたしの放つ言葉の前に わたし以外の人が 存在しなければならないからだ。 わたしがどのように手を流し 表情を崩しては和らげ どのように空間を位置どっているか、 わたしの言葉を見る わたし以外の人は どのようにしても言葉を放つわたしを観ざるを得ないのだ。
顔を動かせることなく 手のみ動かせることによって 意志が通ずると考えるならば それはジェスチャー程度の浅いものだ。 またそういった誤解を生む一因に 「手話」という言葉から来てはいないだろうか。
わたしは『空話』で 空間を 抱えて 潰して 撫でさすって 言葉を流す。 わたしは『空話』で 手にこだわることなく 全身全霊を使い 言葉を流す。
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