ことばとこたまてばこ
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2006年11月06日(月) 二周年を祝して 『天 -4- 一心に踊ってエクスタシーを』

誰もやっては来ぬ黴くさい地下牢でわたしは踊る
床に積もったほこりが舞い上がる
それが唯一の観客だとばかりにいっそう激しく踊る

机の上に置いた椅子からつま先立ちでやっと届く高さにある窓
光が 薄暗い室内を 切り裂く 鋭く白い光が踊るわたしを貫く
光は まるでほむらのごとく わたしをつつみ そして焼きつくす



キモチィイ  焼いて!  焦がして!  照らして! 



腕は無くともわたしは踊れる こうやって
ツ ツツツ ララルル ルルルラララ
腕は無くともわたしは跳べる こうやって
ツ ツツツ ララルル ルルルラララ
腕が無ければ足がわたしを表す
無数の亀裂が咲き乱れた自分自身を抱きしめたいとき
わたしは足と股間の間にぺたりと頭をうずもらせる


でもいまは 光が ある 光のあるうちにと

光へ胸を張って 光へ踊りを捧げて 光の時間は ごくわずかなのだ

時間にして150秒だけが光との対話 そうよ 今日はとってもいい光

こんな光にはめったに会えやしない そうよ いまよ いまのうちだけよ

いまはまだ 光が ある 光のあるうちにと

まだ もうちょっと 光がある 光のあるうちにと!

もう ちょっと すこし 光が ある わ





こんにちは こんばんは おはよう

闇が地下牢に戻った でも光のまばゆさを忘れまいとわたしは眼を閉じる
全身にうずきたつ火傷のような感覚を忘れまいとわたしは肌を研ぎ澄ませる
あの素晴らしい光をまざまざと目前に甦らせ わたしは踊りつづけた

闇だってそう悪くはない 悪くはないのだけれども
あんな素晴らしい光 見てしまったからには 
まだしばらくは闇に戻りたくないわ 戻りたくない


恍惚感の満ちたる甘い息と荒い呼吸を同時にはきだして
闇を背にしてまるで光の大河の中へ飛び込んでいくのを感じた

手の無き障害などどんなにもどんなにも些細なことだと心より思えるほど


光とのたわむれ 一心に踊りエクスタシー


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