絶望の情感に満ちている少年。のたら、のったら、のたらり、深くうなだれるまま、這いつくばるような歩行。けれど少年の後ろを歩んでいる少女は、以前から気づいていた。路上に残る少年の十九センチの足跡、ひとつひとつ、どうしてかふしぎに目をそむけがたい閃光に満ちていることを。