ことばとこたまてばこ
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2007年02月10日(土) |
あらゆる方が言うてて |
眼の潰れた老婆が言うたった 大根おろしの気持ち?そんなもの知りたくもないわ、 どうしてそんな下らないことばかり言うの、もううんざりよ!
小躍りする神父様が言うたった 夜が明け翳りも消えて、そうしてついにオアシスが見えたんだよ あの空っぽっぽっぽな土偶はまるであなたのようだよ あの不器用なスキップをしているのはあなたの足らしいよ だから私はとっても嬉しくてねほらこうしてタップ踊ってるのさ
英雄と臆病者が言うたった 恐怖を解約する際に何か必要なものはあるのでしょうか 角砂糖を舐めればいいのさと豪傑無双が言うけどほんとかな!? でもなにが効くかなんてだれにもわからないよねだから試してんのさ 角砂糖を二人で分け合いながらべろべろり
爆弾を抱えたウサギが言うたった 後生だからにこやかに微笑んで「これが好き」なんてェ言わないで欲しいんだ 面白くもない 面白くもない 面白くもない ほらもうそろそろに弾けてしまう
物見ぬ子と音無し子が言うたった あの表情豊かな女は何をそんなに心配していたんだろうね 君は見えるのにね 君は歩けるのにね 君は聴けるのにね 血飛沫のように木の葉が舞っててもやっぱりそれはただの木の葉だもんね スクラップと化しつつあるぼくらは温情やら義務とかやらで買われているのかな でもリサイクルブームの現状だから壊れ者のぼくらにも望みはあってもいいんじゃないかな
面白くもない 面白くもない 面白くもないがウサギの最期の言葉。 爆弾が弾けてウサギの脳漿が眼の潰れた老婆の全身にかかった。 眼の潰れた老婆は脳漿を大根おろしと勘違いして「だから知りたくもないってんだよ!」と激怒。 その有様を一部始終見ていた英雄と臆病者は大事に時間をかけて舐めていた角砂糖をつい齧って砕いてしまった。 恐怖との解約が出来やしないと怯えた二人は小躍り神父様に別の方法がないか伺いをたてた。 神父様は床が脳漿にまみれててずるずる滑りながらもどうにか踊り続けて「オアシスはそこだよ」と指さした。 それを聴いた英雄と臆病者、物見ぬ子と音無し子の二人を突き飛ばして我先にと全力で駆けてった。 床にはいつくばる物見ぬ子と音無し子は脳漿の嫌な匂いを嗅ぎながらでもやっぱり望みはあるよと思ってた。ほんとに思ってたかどうかは知らない。
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