ことばとこたまてばこ
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煙草の煙のように音にも色、匂い、形があると信じてる。そしてすぐに消えてしまうということも知っている。
真っ赤な音を吸った雪が赤く染まった。
一度でもいいからしみじみと歌を歌ってみたいものだね。
いやさか!まったくもってありがとう、ありがとう!君は音の恩人だ!
横一直線の鋭い光が闇の中の彼の耳を一筋に浮かびあがらせた。
一瞬、音が煙立つのを見た。
誰か一緒に踊ろう。夜が明けるまで。そして、もう逃げてもいいんだと誰か一寸言ってくれ。唄い踊り、ちっと忘れたいんだ。
そして音がー・・・ ともった。
幼子の大群が張り上げているらしい歌がまるで鬼気迫って聴こえた。
だがそんなに音がないことが心配なのか?
黙って受け入れます、音なんて実は絶対に聴けやしないんだということを。
突然、騒音。
リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル
風が吹いて柔らかく小枝を揺らし、ジャパン生き残りの注意深い音無し子をなぶった。
音楽ってのは凶器にすらなりうるの?
その瞬間、おれと音が一直線上にあった。
宇宙では無音だという。ということはあれどういうこと?音無し子の世界はまるで宇宙だと?だとするとなんて素敵な
あの眼は夜空の煌々たる月の音を感じていた。
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