ことばとこたまてばこ
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2007年09月03日(月) 193円の反逆

ディスカウント価格193円のあいつ
あいつの容貌をおめえにこそり教えよう
面構えは全体的にどろりと濁った感じが漂ってて正視に耐えず
侘しくぱらぱらと生える卑屈さ満ち満ちのちょび髭だけが目立ってさ
髪なんか雨に打たれて濡れほそぼった猿の毛並みのようだ
ああ、たまらないね、ご覧よ
背中をずぶずぶに丸めきって頭をいっぱいにうつむいているあの様子ときたら!
前にあいつのバーコード読み取ると193円と出たんだよ
ああ、たまらなかったよ、あの時は
あまりの羞恥心に頬や額を灼熱色に染めあげて
あまりの驚愕にいっぱいに見開いた眼をうろんに、せわしなく動かせて
ぷうっ、って幼子がするように空気を口内に溜めてほっぺを膨らませたんだ
はは、はは、ははは、安い、まるで安いよねと自嘲気味に嘯いたあいつときたら!


昨日の朝方五時十二分にあいつは
割り箸でこしらえたぱちんこに似た玩具に生肉の弾を詰めて仏を撃った
ぱばん、びちゃ!ぱばん、びちゃ!ぱばん、びちゃ!ぱばん、びちゃ!
数発の肉弾は仏の眼を潰し、喉に貼り付き、頭髪に肉汁を染み込ませた
一発だけ惜しくも外れた弾があり、それは仏の後光に当たった


ぼたり、と後光は仏から剥がれ落ちたんだ


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