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2006年11月29日(水) |
YOU MAY BE RIGHT. |
近所の年中の子が竹箒を持って息子を追い回して何度も叩いていた。 息子は「小さな子に意地悪をしては駄目」と言い聞かせてあるせいか あるいは、やはり兄弟なれしていないからなのか、気が付いた時には 他所の家の玄関先に追い込まれて泣いていた。 母親は 元々余り子育てに関心の強い人ではないのは判っているのだが ずっと笑って見ていた。
泣いている息子に私は言った。 「お兄ちゃんなのに、小さな子に泣かされて、おかしいよ?」 本心は違っていたのに。 その時、息子が一際大きな声を上げて泣いた。 秋の初めの事。
学校で、息子の態度がここ1ヶ月ほど良くないと言う。 落ち着きもなく、女の子に手をあげる事もあると言う。 子供の父親が何度も奮った暴力、何度も病院送りとなった自分の姿と重なる。 「どうしてか、そうなっちゃう」 信じて育てるしかないと、決めて産んだのではないか。 先生と家族、総掛かりで 息子を信じて叱り、話を聞く毎日。
ブログは他人が見る事が前提だが、気に食わない人間のブログを狙って 記事を取っては、ネットゲーム内でそれを見れば嫌な思いをするだろう 人間に送り付けている馬鹿がいる。 やっていい事と悪い事を 親が教えてくれなかったのか。 親はいないのかも知れないが、いなければ自分で学ぶべきだろう。 親が知れば悔やむか悲しむだろう。
思い込む、こもってる、と言う人がいる。 ではどこへ行けばいいのか。伸ばしても掴んでくれる手などない。 泣いて振り向いてもそこには誰もおらず、息子は私のその姿に 一番傷付く。 やはり悲しい声を上げて泣いてしまう。 ここよりどこへも、今は行き場がない事を知っているかのようだ。 母も自分も。 だから手を引いて、ここまでやって来た。 差し伸べてくれるのでもなければ、何も言ってくれるな。 歩ける所まではちゃんと自分で歩いて行く。
雪の積もり始めた道に目を凝らすとびっしりと蛇のようななにかが 幾重にも重なり、ゆっくりと動いている。 人の寿命はロウソクなどと言う情緒のあるものではない、導火線だ。 「長生き、したいですか?」 訊ねると 「まあ、ね」 控えめな声が帰って来る。 そうですか、それは良かった。
手繰り寄せ途中から噛み切った導火線に 新たに火を点そうとしていると 離れた所では 景気の良い事に、長い長い導火線を根元から一気に 泣きながら引き千切ろうとしている制服姿があった。
誰か何とか、してやれよ。
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