どうもだす。 梅田のコンクリートジャングルに高さ5センチのピンヒール(ウェスタンブーツ)なんて履いていくもんじゃないと思った管理人です。ああ、風呂入ったら足裏にサロンパス貼らねば。・・・・・・・・・ さて、さんざん事前にこき下ろしつつ楽しみにしていたので、やっぱ書かねばならんだろう劇団☆新感線『吉原御免状』だが、とりあえず一言で言うと、
新感線がものごっつーまじめにやってました。
で、その観る前にこき下ろしていた時の文章をコピペし、観た今回答してみる事にすると、
>っていうか、古田新太演じる金髪の柳生義仙は、たぶん確定事項だし。
黒髪でした。
>柳生宗冬が「いいんじゃな〜い」とか言うのもたぶん確定事項だし。
言ってませんでした。
>絶対原作の格調高いエロ(吉原の話なので)なんてどこへやらの、ガンガンバキバキだけの剣戟活劇になると思うし。
(エロも)そこそこがんばってました。
・・・・・・・・わ、・・・・・・・・私が知ってる新感線の舞台じゃねえ!・・・・・・・・ ・・・・・・・・とまで言うとかなり大げさだが、本人の予想をおもっくそ裏切って、原作にかなり忠実、それも3時間に原作の要素ほとんど全てを叩き込んでいたためか、台詞一つ一つ、シーンの一つ一つ、1分1分が結構凄い情報量で、ちょっとでも聞き逃したら話についていけんと思われるほど濃い内容だったとです。 じゃあ興奮したかドキドキしたか燃えたかっつったら、それは「そうでもない」という感じで、(何度も書いたかもしれんが私はもともと原作ファンなので)生の舞台で聞き逃したところや、説明っぽい台詞が多くてわかりにくいところは頭ん中で記憶が勝手に補完してくれたのはいいとしても、それだけに最初から最後までの展開が読めちまったので、自分でも意外な事に、
「何でここまで忠実にやるんじゃ――――!!」 みたいな感じがして。・・・・・・・・・・はい。 なんか、一連の発言を読み返してみるとこの女、すげー手前勝手な、むしろ支離滅裂な事ばかり言ってますが、むしろ私はいつもの新感線テイストをもっと前面に出しつつどうあの世界を書き切るのか、新感線と隆慶一郎という二つの個性の融合みたいなもんが観たかったわけでして、 「これだけ原作に忠実なら、別に新感線でなくてもいいじゃん。・・・・・・・・・」 とか逆に思ってしまったと。 確かに、あの半端でない情報量の堆積である原作を違和感なく3時間にきっちり凝縮し、しかも原作の世界観をあれだけ忠実に再現してのけたテクニックは見事と言いたいが、あの原作まんま使って、あれだけの予算と役者でいのうえひでのりの演出と岡崎司の音楽が入ったら、もともと面白くならない方がどうかしている訳で、私が漠然と今回の舞台に期待していたのはそれ以上のもん、平たく言えば、せっかく舞台になるんだから、原作のないに等しい隙をかいくぐり、脚色という全く別の個性、または新たな要素を付与した、「原作プラスアルファ=最強」の『吉原御免状』だったわけですよ。 それが残念ながら期待したほど感じられなかったというか、単なる原作へのオマージュに終始してしまっている感じがぬぐえず、原作手垢が付くほど読み返した私なんぞはただ、わかっている筋を追っているだけになってしまったというか。 あたしゃあ劇場から出る途中、すれ違った他のお客さん達の会話で、
「いつもの新感線の舞台とちがうねー」 「いつもはこんな終わり方じゃないもんねー」 「いつもよりすっごい練られていて話も作り込まれてたー」 「だってこれって原作あるんでしょー?」 「えー、そうなーん?」
とかおっしゃってましたが、ゾンビの如く首180度ギギギと振り返って、 「そうなんだよ!!だからあんた方、今すぐここ(劇場)から5分の紀伊○屋書店に行って文庫買って原作も読め!!チケ代1/10の値段でほっとんど同じ思いがリフレイン出来るぞ!!」 と叫びたくなりました。 てゆうか、もしかしてあの座付き作家さんのファンがここに万一(いないとは思うが)いらっしゃったら本当に、本当に悪いとは思うのだが、そこは価値観の違いだと思っていただく事にしてズバッと言わせていただくと、
『髑髏城の7人』ノベライズ版書いてる人に『吉原御免状』は絶対に無理ですから!!
いや、待て違うのだ! 私の言う事が意地悪だと思うなら、試しにこの2冊を読んで比べてみろ!!残酷なまでの力量のギャップに愕然として嫌になる事請け合いだぞ!! 今回は面白い原作をまんま使ってるんだから、筋書きがいつもと違ってウケ狙いのコントなしでも十分面白いのは当たり前であって、毎回毎回、ここの劇団の役者と音楽と演出の力には驚嘆させられ、そしてまた観に行く所以なのね。 ・・・・・・・・・いや、だからといって「損した」と思ったわけでもなく、相変わらず役者は豪華で巧くて(特に松雪泰子は妖艶で)、岡崎司の音楽は恐らく私が持っている新感線の音楽の中で史上最高傑作と思えるほど良かったし、堤真一の誠さんは野獣の純真さと男の色気が絡み合い、原作ではさほど感じなかったが、
「もしかして松永誠一郎という男は、(自分では意識していないのだろうが)真性の助平というか、生まれついての女たらしなんじゃないか」 「いやよくよく考えれば原作でももともとそういう、女を地獄に引き寄せる男の色気みたいなもんを付与されて成立するキャラクターだったんだな」
と新たなる視点を開眼させて貰ったり、得るところはあったのですが、これ原作知らずに観に行ったらすっげえ面白かったんだろうなと思うだけに、なんか残念。 まあ、他のところじゃアホほど絶賛されているのは見なくてもわかる出来だったし、舞台を否定している訳じゃ全然ないし、普段滅多に買わないパンフも、しかも給料日前に買ったんだけどさ。・・・・・・・・・ ある意味予想以上でしたが、ある意味ではこんなもんかって感じです。はい。
そして、今日からのヘビーローテはサントラ1曲目の『吉原御免色里』。
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