コミュニケーション。
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2005年11月26日(土) 何故あなたはいない?しかし全てが遅い。あなたが生きていてくれさえしたら




寺島が死んだ。
雪が降る中を一晩も自転車で走って、逝ってしまった。


その後の私には、恋人がいた。
ネットで出逢った。
会いに来てくれた。
私はその人の名前を知らなかった。
住んでいる場所も覚えていなかった。
だけど愛してくれた。
名前を教えてくれた。

私が恋人を亡くしたことは知らなかった。
ネット上で、その人と私が付き合うとなった後も、
私が寺島と会っていたことも、勿論。

その人が家に帰るとき、見送りに出た。
寺島の名を呼んで送り出していた。
気付いてその人の名を思い出そうとしたけれど、駄目だった。


テレビでは、寺島が所属していたサークルの話がニュースになっていた。
寺島がしようとしていたことを成し遂げていた。
私は数日前の、私を抱く寺島を思い出していた。



母親が洗濯物を干していた。
全てを聞いてほしくなった。
恋人の事から話すつもりだったのに、寺島の話をしていた。
鳴咽が洩れた。
床を殴っていた。



そこで目が覚めた。
体が震えた。
現実とのシンクロが恐ろしかった。
夢の中で私が思い出した寺島は、
昨日の寺島そのままだった。


逆さ夢、万歳。


雪絵 |MAILHOMEBLOG

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