友人Tが主役として出演する劇を見に行った。
狭いところだとTからあらかじめ聞いていたので、劇場の小ささには驚かなかったが、思いのほか観客が多かったせいで、急遽舞台の真横に用意された小さなパイプ椅子の座席から劇を見ることになったのには驚いた。
普通の劇場なら、舞台は最前列の観客席より一段高くなっているはずなので、真横に席があるということ自体が考えられない。
舞台と客席にはっきりとした境界線がない、その劇場ならではのハプニングだったのだが、おかげで、役者と観客の両方を同時に視界に入れながら劇を見るという、劇団関係者でもない限りめったにできない経験をさせてもらった。
劇の内容も、最初描いていたその劇に対するイメージをいい意味で裏切ってくれて、意外性があってよかった。
今回の経験は、劇を見る視点の幅を広げてくれたように思う。
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