2005年03月10日(木) © 卑怯なワタシ。
所属チームは違えど、一緒に働いている女性が辞める事になった
其れは、ワタシが今の会社をまたしばらく辞められなくなる
其れに付け加え、仕事量が増える事を意味する。
休憩中、如何したらいいのかと
今後の仕事、秋クンとの事・・・一人考えていた。
秋クンがやって来て
『お前は、また大変になるな・・・。』と呟いた。
如何してワタシばっかり?如何してこんな思いをするの?
悲劇のヒロインごっこ。
なんか無性にやるせない気持ちになった
うつぶせたら、涙が零れた。秋の前では見せたくなかったけれど。
『泣いてるの?如何してあの子が辞める事にお前が泣くの。』
違う違う、そんな事で泣いたんじゃない
君の事を考えると苦しくなる、優しい声をかけられると
気持ちが緩んでしまう。
『泣いてない泣いてない、大丈夫。』
悲劇のヒロインは、強がったフリをした。のだろうきっと。
やるせなかった、貴方との距離が
苦しかった、持てない2人の時間が。
秋は言った。
『俺はお前がこの会社を辞める時が辛いよ
今まで生きてきた中で一番辛いと思う。』
嘘ばっかり。悲劇のヒロインは思った。其れは言い過ぎと言うものよ。
ポツリと呟いて仕舞った。でもきっと意図的に
『彼女らしい事もしてあげられないね。』
涙を零しながら、そう呟いたワタシを彼は如何思っただろう
見せたくない弱い部分。
『してくれてるよ、傍に居てくれてるでしょ其れが嬉しくて
幸せなんだよ?一緒にいると楽しくて・・・十分だよ。』
嬉しかった、苦しかった、幸せだった、辛かった。悲しかった。
『でも、そんな風には見えない。』ごめんね、正直な気持ち。
そんな思いが何処かにあったから、だから苦しかったんだきっと。
『其れを言うなら、俺の方だよ
何もしてあげられない、時間すら取ってあげられない。』
ワタシの頬を伝う涙を拭いながら、彼は言った。
でも、判ってた。きっと彼がそう言う事は。
だから敢えて、其れを引き出す為にワタシは言ったのかもしれないね。
腹黒いワタシの事だから。
ホントに思っている事だけれど、後で思い返すと計算ずくのようで、汚い。
でも、其れでいい。其れでいいんだ
何処かにそんな気持ちがあった事も否めないから。
彼はワタシを包み込むように抱きしめた。
辛い思いをさせてごめんね、と。
言ってはいけない一言
聞いても仕方ない一言
仕事の色々な事と重なり
心が限界を超えて仕舞った。のだろう。
彼の胸に顔を押し付けたまま、言ってはいけない一言を放った。
『ワタシは、貴方の何なんだろうね・・・。』
弱弱しい声で、涙に濡れた声で。
彼は、答えられなかった。
尤も、彼に投げつけたのは疑問形ではなく、つぶやきだけれど。
苦しそうな彼に、追い討ちをかけた。
『ワタシって何なんだろうな・・・って・・・思って。』