ラヴ*パスポート



葉月アキラ、自由に生きてきた。色んな恋を、した。
やっと腹を括ったその先は、長男の、嫁。
騙したり騙されたりの日々から抜け出したワタシだけれど、果たして頑張れるのか?

結婚5年目に入った2013年12月、不妊治療の末、娘を授かりました。

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2007年08月08日(水)  ©  向ける場所の違う罪悪感。


少し悪い女になってやる、と息巻いていたワタシ。

泰ちゃんは、悪い男だから真剣に付き合っていてはいけない
適当な位が丁度良い、のだと。
ワタシも純も、そう思っていた。
いや、今もそう思っては、居る。

大からのメールに返信出来ないワタシ
自分からメールをしてあげられないワタシ
電話に出てあげられないワタシ。

泰ちゃんからの電話に極力出るワタシ
時々、少し会ってみたりするワタシ。

大は彼氏で、泰ちゃんはお客さん
”ワタシは仕事をしているの”そう自分に言い聞かせる事で
自分を正当化してみたりする。

でも、大に対して罪悪感を持つのが普通。
だけど、ワタシは大に”申し訳ない”とは思いつつも
罪悪感と言う程の気持ちは持ち合わせていなくて
逆に、泰ちゃんに対し”彼氏と言う存在が居る事”に罪悪感を感じる。

ホステスたる者、彼氏が居ても”居ない”で通すのが当然であり
其れに罪悪感等を感じる事は、全く無い。
例外なくワタシもそうだ。

出来るだけ本当の事しか言わないし、話さないけれど
お客さんに対し、常につき続けている嘘は勿論有る。
だけど、罪悪感なんて感じた事は無い。だって其れも、お仕事なのだから。

だから、罪悪感を感じると言う事は
少なくとも其の人を”お客さん以上”の目で見ていると言う事。
其れに気付いた時、少し戸惑った。
此処に、ホステスになって、初めて人を好きになりかけているワタシが居る。



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泰ちゃんの事も知っているし、大の事も、勿論知っている。
友人としてワタシの性格も、考え方も知っている純。
『メールや連絡をしろとか、あんたには言っちゃいけないって
 大ちゃん判ってると思うんだけどなぁ・・・不安なのは判るけど逆効果なんだよね。』

お客さんとのやり取り、彼氏への連絡
そしてうっすら芽生えた恋心的なもの、との間で苦しむワタシを
彼女はとても良く理解していた。


最善の策
後々、ワタシが後悔しても、後戻りすら出来るように、綿密なストーリーを考えていく。
だから、今はまだ行動に移すには時期が早いのだと彼女は言う。
伏線張っていかなくてはいけないから。

ストーリーが出来上がり次第、ワタシは其のシナリオ通りに演じる。
全てが段取りされて行く。


多分、ワタシ達は最悪のコンビだと思われます。はい。





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