ラヴ*パスポート



葉月アキラ、自由に生きてきた。色んな恋を、した。
やっと腹を括ったその先は、長男の、嫁。
騙したり騙されたりの日々から抜け出したワタシだけれど、果たして頑張れるのか?

結婚5年目に入った2013年12月、不妊治療の末、娘を授かりました。

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2007年09月17日(月)  ©  会えないままのさよならじゃなくて、良かった。


寝て仕舞って、ワタシに電話をした事すら忘れてるだろう
と思っていたら、15分後に電話が鳴った。

『今、コンビニ。お茶要るか?』

泰ちゃんは、泊まりにやって来る時、いつも中間地点のコンビニで
ワタシが好んで飲むお茶を買って来てくれてた。
勿論、記憶が風化する程、時間は経って居ないけれど
今でも其れを忘れる事無く居てくれている事が、凄く凄く嬉し、かった。

久し振り・・・3週間弱振りに会う泰ちゃんは、髪を切っていて
でも、相変わらずの彼、だった。

『晃ぁ、晃ぁー。』
少し酔っ払いの泰ちゃんは、何度も何度もワタシの名前を呼んだ。
『何?如何したの?』と問うと
『ごめんな、▲□*‘@。ごめん。』そう、謝った。
何を・・・謝る事があるの、だろう。色んな意味で悪いのはワタシ、なのに。

『如何して泰ちゃんが謝るの?悪いのはワタシ、だよ?』
『いや、俺▲□‘:@・・・。』

上手く、聞き取れない。

何を、謝られたの、だろう。
”ごめんな、やっぱりもう一緒には頑張れない。”とか”別れたい”とか?
聞き取れないだけに、不安が募る。

でも泊まって行くと言う事は、別れる訳では、無い?
解らない。
聞き取れるまで聞き返せば良かったのかもしれない
だけど、酔っ払いは何回も同じ事は、話せない。はぁ・・・。

久し振りにワタシの顔を見た彼は『お前、顔変わったな。』と言った。

晃 『変わってませんけど?』
泰 『いや、変わった。』
晃 『痩せたからちゃう?』
泰 『そうじゃない、キツクなった。』
晃 『こんな短期間で変わらないだろ。』
泰 『眉毛がキツクなった。』

あ、其れは、正解。
極力自眉をいかしてたワタシだけど、眉尻を落としたんだよね。
よく気付いたね。ビックリ。


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今までと変わらない様に見えるけれど
着実に色んな変化があって、其れは状況、其れは気持ちに。
なのに如何して?

今朝、仕事の為、帰宅した彼。
いつもは玄関前で抱き締めて、くれた。キスを、した。
好きだよ、って、言ってくれていた。
でも、今は違う。

何なんだろう、好きじゃ無いなら別れればいい
来たのなら、別れ話をすればいい。

別れ話もしないけど、好きだとも言わない。
聞きたくても聞く事なんて出来、ない。

会えた事は嬉しくて、久々に幸せな気持ちになったけれど、寂しさや切なさが拭えない。
はっきりしない、状況は何も変わっていない。
また、別れる日が先延ばしになった、だけ。

夜の8時、純に電話で呼び出された
一緒に食事を取って、やるせない気持ちのワタシ達は
好きでも無いお酒を、只管飲んで居た。

ワタシはアルコールアレルギーなのだけれど
お構い無しに飲んで、グダグダになってみた。
こんなに酔っ払う程、お酒を口にしたのは何年振りだろう。

午前0時前、酔っ払いついでに泰ちゃんに
”たぁいぃちゃぁぁー”とだけ打ったメールを送信した。

すると、程なくして携帯が鳴った。


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彼は、今まで彼の祖母が病院に運ばれたので、其の付き添いをして居て
帰宅したのは、つい先程だったらしい。
そんな状況の中、ワタシのくだらない他愛の無いメールに
着信と言う形でリアクションをくれた、彼。
気遣いをくれた、彼。

純は『優しいなぁー、別れたい訳じゃ無いんじゃないの?』
『色々あったけど、別れたかったらメール無視するでしょ。』と言った。

そう思いたい。そう思いたいけど。状況はそうでは、無い。
彼は、優しいの。いつだって優しい、の。
着信があれば、折り返しキチンと掛け直す律儀、な人。
女癖が悪い事を除けば、とっても良い人、なの。

こんな事があっても、ワタシに優しくしてくれる、彼
いっそ冷たくされたら楽なのかもしれない、けれど。

別れたく、ない。別れたくないよ。
だって、大好きなんだもの。
だけど、其れを決めるのは彼、なんだよ。

泰ちゃんから電話が掛かって来た時、純はワタシの空いている方の手を、ずっと握っていた。
彼女が言うには会話している最中、ワタシの腕は凄く凄く震えていた、らしい。

あー・・・ワタシきっと・・・言葉に出来ない気持ちでいっぱいだったんだ。




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