++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2005年05月18日(水) シロウサギ

触れるのは いつもそっと。
遠巻きにして確かめて確認してそうしてやっと指先を伸ばしてみる。

いいんだよ と笑顔を返されると有頂天になる。
気をつけてはいるけど ついつい 
嬉しすぎて力の入れ加減がわからなくなって
それにハッと気がついて 急に怖くなる。



気配には敏感。
小動物のように。

だから もしかして ってだけでも
慌てて跳び退く 後ずさる。

重かったろうか?
ホントウはメイワクだったんじゃないだろうか?

アア・・キットソウダ・・・



音はさせない。静かに遠ざかる。
こんなキモチを気づかれるのは嫌だ。
気づかせたくない。
静かにいつのまにかソノヒトの視界から消えている方がいい。
そう・・思う。

ホントウは・・・の先は聞きたくない。
ダイジョウブ もう 近づきませんから。
ゴメンナサイ そうココロで呟く。



こんな屈折したワタシといるのは 
きっと どんなにか疲れるだろう。
いつも怯えている小動物。
気配に敏感で そのくせ ついぽっかりとどこか抜けていて
頭撫でてもらって 笑いかけて貰うとつい気が緩む。

一人で考えて一人で迷路に入ってぐるぐる廻る。
ギクシャクと不器用に一人芝居。  



タスケテ と呼んでも誰もくるわけがない。
けど それは きっと で あっても
絶対 じゃないのに。

ジブンの作り出した影に怯えて
目と耳を塞いでるのはジブン自身。




それでも 傷つきすぎて全身赤剥けでイタイんだ。

おバカさん。。

イナバのシロウサギ。



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 :そしてヒトリゴトめいたモノ:


複雑な亡夫への気持ち。

あれだけ色々あったのに・・
と事情を知っている友人たちから言われることもある。

実際 もし何事もなく生きていたらやっぱり憎んでいたと思う。
それほどわたしのとってもう修復のできないことが沢山あったから。

それでも死というのは遺されたものに対しその命の重さを見せつける。

亡くなった人はその時から浄化されて
懐かしい切ない思い出だけに変わっていってしまう。
日常の中で遺して言った不器用で優しい言葉たちばかりが
不意に蘇ってわたしを立ち止まらせる。

けれど
それを救いだというには
残され刻まれたこの痛みの感覚は深すぎて。

受けた痛みの全てを忘れることはできない。
それでも
それでも
何処かでまだ愛していたということを否定することもまた
やっぱりできないのだということに気づく。

どちらも嘘でどちらも真実(ほんとう)
この曲がりくねった感情。矛盾するもの。

抉るような痛みと泣き出しそうな懐かしさと・・・


そして残酷な

行き先を永遠に失った想いを抱いて彷徨い続ける。



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ゆうなぎ [MAIL]

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