++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2009年02月05日(木) 「冬の夕暮れ」



「冬の夕暮れ」

風に揺られるブランコ
誰もいない公園

忘れられた赤い手袋ひとつ
ベンチの端っこ

バスから降りた人が白い息 吐きながら帰る
ぽつりぽつり つきはじめた街灯


ふと立ち止まる
流れていく時間に
少しだけ逆らいたくて


無くした手袋

あれは雪の色

大切に大切にしていたのに

想いすぎて無くしてしまったもの


どこかで赤い手袋を無くした誰かも
立ち止まっているだろうか

降りはじめた小さな粒を
肩に受けながら

無くしたものの温もりを
想い出しているだろうか


冬の夕暮れに


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                             ゆうなぎ


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