何もかもに酷く疲れている。
力がまるで入らない。 最後に残っていた執着すら薄れていっているようで 自分の輪郭は曖昧になるばかり。
亡夫の法要は何とか無事終えた。 ただ、どれだけ年月が過ぎても クリニックで薬を増量して貰っても それで忘れられるわけでも 傷が薄れるわけでも無いことを 改めて思い知った。
あの悪夢の出来事さえなければ せめて、あの時、あの場所でなければ・・・ そんな過去の”もし”を いくら思ったところでどうなるわけでもないことは 自分自身が一番わかってる。
憎しみからは何も生まれはしない。 ましてや、つうじる相手でもないのだし もうアノヒトタチとの縁は切ったのだから 考えないこと、忘れてしまうこと。
周囲からもそういわれてきたし 自分自身も繰り返し自分に言い聞かせてきた。
考えたくなどない 無かったことのように記憶から消してしまえたら どんなにいいだろう。
言うのは易しい。 二度と行くことがない場所なら、少しはマシだったかもしれないのに。
ああ・・・また、詮無いことを考えてしまう。
でも、ただ過去に囚われてばかりいるわけじゃないんだ。 わたしも子供達も現在(いま)を生きようと必死にもがいている。 それなのにあのトラウマが、古傷のカサブタがその度に剥がれて 現在(いま)を生きるわたしたちを苦しめる。 歩もうとする足に絡みつく。
それぞれがなんとかしたいと思っているのに それぞれが空回りばかりしている。
どうしたら どうしたら どうしたらいい?
途方に暮れて立ち尽くしても
答えは見つからないまま。
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ゆうなぎ
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