あれはおいらが22歳の頃でした。 キリスト教会の合宿で友達になったA君が、話しているうちにガンズ&ローゼスのファンだと分かり、意気投合致しました。おいらはフォークギターが少し弾けるくらいで、A君はエレキとドラムが出来ました。遊びでコピーバンドをやらないかと盛り上がり、ボーカルには共通の友人のBさん(同い年の女の子)を誘いました。最初のうちはボーカルとギター2本だけでガンズやプリテンダーズ、シンデレラなどをコピーしていました。場所は3人の家の真ん中辺りと言う事で下北の貸しスタジオを利用していました。その内A君の幼馴染のC君がベースで加わりました。それでA君はギターからドラムに変わりました。スタジオ練習は月1回。選曲は民主的に順繰りで2曲決めて、その人が譜面のコピーとカセットテープ(懐かしい)を各メンバーに郵送しました。C君が埼玉在住だったので、今度は渋谷の楽器店の上にある貸しスタジオを利用しました。メンバーの中ではおいらが一番遠くに住んでいたので、深夜まで反省会(おしゃべりタイム?)が及んだ日には、都心に住むA君宅に泊めてもらいました。
1年位経った頃でしょうか、A君とBさんはおいらを無視するようになりました。気のせいだったのか考えすぎだったのかは今では分かりませんが…。何か悪いことしたかなぁ?と考えを巡らせてみても思い当たる事は有りませんでした。その頃、C君がスタジオ練習に彼女を連れて来るようになりました。彼女さんは陽気なタイプですぐに皆と打ち解けました。
おいらは時々A君に用も無く電話をしたのですが、A君は何だかおいらと話すのが億劫みたいで、あからさまに避けるようになっていきました。何故だかは未だに解りません。これはおいらの友人関係の傾向なのですが、時間と共に相手が上から目線になってくるんです。増長ともいいます。きっとおいらの中の何かが、相手の中にある良く無い面を引き出してしまっているんだと思います。そんなある日、珍しくA君から電話が有りました。
「あのね次回からC君の彼女さんがピアノでメンバー入りすることになったから」←事後報告 ガンズは生ピの楽曲が多かったので、都合が良かったのですが何かスッキリしません。おいらには全く相談無しか…?とまたもや無視された感じで嫌な気分でした。これでバンドメンバーの相関図がガッチリ出来上がりました。
・A君⇔Bさん 仲良しおいら無視 ・C君⇔彼女さん 付き合ってる ・おいら……独り余る
元々楽しくてやっていたはずのバンド活動が次第に苦痛になって来ました。そんな折、A君B君がそれぞれ引越しをしまして、新しい電話番号を教えて貰えなかったので、益々2人とは疎遠になってしまいました。今なら携帯が有るからそんな事無いでしょうね。
活動2年目辺りから、おいら次第に神経症ぎみになってしまい、練習も無断欠席するようになりました。おいらが居ない時は、A君がギターを弾き、Bさんがボーカル&ドラムでやっていたみたいです。メンバーには申し訳ない無いと思いながらも、体がスタジオに向かなくなってしまったんですよね。それ程入り組んではいない人間関係ですが、まだまだ若造のおいらにとっては深刻な悩みの種でした。これが本格的にプロ活動しているバンドだったら、金銭的な問題なども付き纏い、もっともっと悩んじゃったんだろうと思います。その点、アマチュアのお遊びバンドでまだマシだったかなぁと。
教訓:女はバンドの問題の種にしかならん :下手に出て居る内に舐められる
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現在ではおいらバンドを組みたいとは全く思いません。 独りでベンベンベースを弾いていれば幸せです。(ギターは全部売り払っちゃった) 人間関係とか無視とか懲り懲りですもん。
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