ある一匹のお腹を空かせたキツネが、大きく実のなった美味しそうなブドウを見つけた。キツネはそれを食べようとするが、ブドウはとても高い所にある為にとる事が出来ない。 キツネは仕方なく諦めるが、その際「あのブドウはまだすっぱいから、食べられなくてもイイんだ!」と言い、その場を立ち去る。 上記の話は、イソップ童話に出てくる物語ですが、毎日を生きている中では、誰もが自分の思い通りにならず、不満を感じる状況があります。その事に対して、自分の力が及ばなかったりすると、人はいかにも正しく聞こえ、周りも自分も納得できるような理由や理屈を付けて、物事の合理化をはかろうとします。 例えばここに、ダイエットに励んでいる女性がいます。頑張って痩せようとジム通いを始めましたが、中々上手く行かない為に足が遠のいてしまい、理想とする結果が得られませんでした。 しかし彼女は、「ジムに行くのはお金もかかるし、何より仕事と両立する事は難しい。もっと別の方法があるはずだっ!」と、いかにも正当性のある理由を付けて、自分を納得させてしまいました。 また、ある男性は女性をお茶に誘いました。とても楽しい時間を過ごす事が出来ましたが、また次の機会に誘った所返事は来ず、その後のやり取りも軽くあしらわれてしまいました。 男性はその事に対して、「まぁ、お茶する位がちょうどイイ女だった…。」などと言い、納得できるような理屈を付けて、自分に原因がある事に気付けないままになってしまいました。 どちらの例も、本当はダイエットをしたいし、女性と付き合いたかったのに、それが叶わなかった事にもっともらしい理由をつけて、合理化をはかった状況がございます・・・。 しかし上記でも触れたように、結果として自分に原因がある事に気付けないまま、乗り越えるべき問題や障害を先送りにし、とても非合理的な結論を導いてしまいました。 ここで大切になって来る事は、物事が思い通りに行かなかった際に自分を振り返るという事です。上記の事は、自分が必要以上に傷つかないよう、また気持ちを切り替えて次に進む・・・という事では良い面もございますが、いつもそればかりを繰り返してしまえば、それは「逃げ」に近い面もございます。 皆様がご自身の状況と当てはめた中で、キツネのように、いつも「あのブドウはすっぱいんだ!」と言ってしまう事に、思い当たる部分はございませんでしょうか。それがクセや習慣になってしまう事の無いよう、いつも自分を見つめ直すという気持ちを心に、是非お気をつけ頂ければ幸いです。
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