うさぎのつぶやき
*日記内の全ての文章、画像等については著作権放棄しておりません。
無断転載は固くお断りいたします。
Diary index|past|will
今日は、私の初めての出産記念日です。
28年前の昨日、私は大きなお腹をかかえて、定期的に来る チリチリとミミズが這うような感覚を覚えながら、出産が 近い事を感じていました。
初めての出産に、不安と期待でいっぱいでしたが、宮崎の 実家に帰っていましたので父や母が私が戸惑わないように リラックスさせてくれていましたし、病院も母が弟たちを 出産する時にお世話になった部長先生に(県立の病院から 独立開業されていましたので)お願いしてありました。
日にちが、23日に変わって暫くすると、お腹のチリチリ感 が、だんだんはっきりと強くなってきたのです。 午前2時前だったと思います。
はっきりと、陣痛が始まった事を感じましたので両親にそう 言って、出かける準備をしました。 父も母も、車の運転をしませんので家には車がありません。 タクシーを捕まえてくるそういって父は表に走って行きました。 28年前の九州の田舎町です。 深夜にタクシーなど、走っているはずがありません。私と母が 表で待っていると、父が戻ってきました。 家のすぐ近くに、交番があるのですが、その交番に相談したら おまわりさんが“じゃあ、ボクが、送ってあげますよ”と 言って下さった言うのです。 事が事だけに、その言葉に甘えさせてもらう事にして交番 まで行きますとエンジンをかけて待っていて下さいました。
なるべく揺れないように、でも急いで走って下さったのを 覚えています。お腹のほうは、もうとても痛くなってきて 今にも産まれそうに思いました。
でも病院に着いたらね、 看護婦さん(特に産院の看護婦さん)は、どうしてこんなに 冷静なんだろうと、腹が立つくらい、普通なんですよ。 でね、私が“痛い痛い”を連発して叫ぶと、痛さを計る機械 があってね、その機械で計るわけですよ。 そして“あ〜、まだまだ・・・!”って言うのね。おまけに “こんなの、たいしたことないよ!まだまだだから、がまん しようね!”って。 それで、カチ〜ンときたわけ。
“子供を生んだ事もないくせに、この痛さがどうして判る の?いくら機械が立派でも、私がどれだけ我慢できるか なんて計られへんやろ!!”って思わず怒鳴ってしまい ました。 若い若い看護婦さんでした。
失礼な事を言ったものです。その後も“耐えられへんから 麻酔をして!”とか“腰が痛い!”とか明け方まで騒いで いました。 そして、午前8時01分、ついに産まれたのです。 産まれた瞬間“あ〜女の子だ!よかった、うれしい!” って直感しました。看護婦さんが“女の子ですよ”って 見せてくれましたが小さくてシワシワのしわくちゃで、 お世辞にも可愛いとは、言えない赤ちゃんでした。 看護婦さん達が代わる代わる見に来られて“ゆうべ大騒ぎ していたのは、あなただったのね。久しぶりに聞きました よ”と笑われてしまいました。
あんなしわくちゃだった娘も、もう28歳です。 時々、まぶしいくらいに見える時があります。 親を困らせた事のない娘ですが、結婚願望が薄いようで、 なかなか結婚の話を聞かせてもらえません。
娘の誕生日、即ち私の出産記念日に28年前を思い出して みました。
|