読書記録

2008年06月07日(土) 我、弁明せず              江上 剛


 私の大いなる誤解によって詠み始めたこの本は、経済のことなど何も知らない私にはなかなか読み進めない物語だった。
昭和金融恐慌もドル買い事件も血盟団事件も、近代の歴史なのに知らなかったのだ。
今は銀行の再編時代で、ましてやある意味個人の利益ばかり求める時代にあっては主人公の池田成彬が生きていれば何と言うだろうか、どんな対処をしてくれるのだろうか・・という思いは消せないのだ。
作者があとがきで書いているように、サムライ経営者とまで表現される池田成彬のような筋を通した経営や行き方をする人物が今のこの日本のリーダーであってほしいと切に思う。

「池田という男は己と三井の利害の相反する時は三井を先にする。三井と国家との利害が相反する時は三井の利益を考えないで国家の利益を考える」
と、二・二六事件の際に首相を務めていた岡田啓介から評される。













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