読書記録

2010年10月30日(土) 禊の塔              久木 綾子

羽黒山五重塔仄聞



仄聞とは辞書によると
少し耳にはいること。人づてやうわさなどで聞くこと。
ほのかに聞くこと。ちらっと聞くこと。うわさに聞くこと。


なるほどなぁ、今回の文章の進め方は幾人かの登場人物の仄聞だと気づかされる。
みんなが主人公で 少しずつ登場する。
それゆえ 私には今ひとつ筋書きが分からないでいる。


風が動かぬ。風の淀む場所だから、谷は雪が積もる。
昔、国分寺や国分尼寺を建立するとき、土地を占うのに、風当たりの少ないところ(風、つまり台風の通り道でないこと)、そして、眺めのよいところを選んだ。
景色がよいというのは主観ではない。人人の暮らし(雑踏)から離れた、清らかな、浄土を思わせる場所を選んだ。

大きな建造物は、思い立ったとき、急には着手できない。気の遠くなるような関係者の尽力と、熱い思いがあってはじめて実行できる。


















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