羽黒山五重塔仄聞
仄聞とは辞書によると 少し耳にはいること。人づてやうわさなどで聞くこと。 ほのかに聞くこと。ちらっと聞くこと。うわさに聞くこと。
なるほどなぁ、今回の文章の進め方は幾人かの登場人物の仄聞だと気づかされる。 みんなが主人公で 少しずつ登場する。 それゆえ 私には今ひとつ筋書きが分からないでいる。
風が動かぬ。風の淀む場所だから、谷は雪が積もる。 昔、国分寺や国分尼寺を建立するとき、土地を占うのに、風当たりの少ないところ(風、つまり台風の通り道でないこと)、そして、眺めのよいところを選んだ。 景色がよいというのは主観ではない。人人の暮らし(雑踏)から離れた、清らかな、浄土を思わせる場所を選んだ。
大きな建造物は、思い立ったとき、急には着手できない。気の遠くなるような関係者の尽力と、熱い思いがあってはじめて実行できる。
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