読書記録

2010年11月16日(火) 弘海              市川 拓司

  息子が海に還る朝            


初めは,息子を大病で亡くした家族の悲しみの物語かと思いきや,非現実的なストーリーが展開していた。

聞いたこともない水棲人というか
水には馴染むけれど普通の暮らしがしんどいという男の子の物語だった。
結局 弘海という名の男の子は中学校入学という年齢で
そういう子供たちを研究するというカリフォルニアの海洋研究所に家族から旅立っていった。


ささやかな始まり。それが、時間がたつにつれどんどん大きくなっていく。もっと一緒にいるはずだった家族。
別れは思ったよりも早くやってきた。愛する者が離れていく悲しみは、経験した者にしか分からないだろう。
だが、子供たちはいつかは親元から飛び立っていくものなのだ。寂しくても悲しくても、笑顔で送り出したい。
どんなに離れていても、家族の絆は決して切れることはないのだから。













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