| 2013年01月14日(月) |
わたしは99歳のアーティスト 三星 静子 |
古ぎれコラージュとひとりの暮らし
大正2年生まれの99歳の女性が大好きな古ぎれに囲まれて、東京の八王子で一人で生活されている。 専業主婦として3男1女を育てあげられ、長女は日本刺繍作家・草乃しずか氏だ。
「古ぎれコラージュ」 とは静子さんの造語で、古い布で作る布絵のこと。 材料は自分の洋服を作った残りぎれや、亡くなった夫の着物、巣立った息子たちの寝巻きや使い古した古いカーテンなど、長年、大切に集め続けた古い布たちだ。 使い古した雑巾でさえ、葉脈として枯れ葉の材料になる。
脊柱管狭窄症で、座っても寝ても腰が痛い日々なれど、布切れを触っている間は痛みを忘れていられるのだとか。
昔の人ならではのもったいない精神で、今でいうところの「エコ生活」のお手本のようなことだけれど、本で紹介されている布絵はどれも表現力いっぱいの素晴らしい作品に仕上がっている。
私はNHK出版の「すてきにハンドメイド」でこの本が紹介されていたときに、チラッと読んだけれど実物はやはり色彩が豊かで本当にいい本だと思った。 いろんな手作りが今はブームだけれど、これから老いていく人間には手引書のように感じた。
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